薄めたアクリジョンでスミ入れしよう!-マジックリン不使用
ガンプラにスミ入れ、してますか?
メジャーなものといえばエナメル塗料を使ったスミ入れですが、スミ入れにはいろんなやり方が存在します。
そんな数あるスミ入れ方法の中から、今回は、薄めたアクリジョンを使ってスミ入れをしてみようと思います。
まず、やってみて感じたメリット・デメリットをお伝えしておきましょう。
- メリット
- 臭いがない
- プラスチックを侵さない
- 好きな色が作れる
- デメリット
- 塗料が伸びない
- 若干周りに色が残る
アクリジョンとマジックリン(中性洗剤)を混ぜてスミ入れするやり方は、多くの方が紹介していますが、筆者は洗剤のぬるぬる感が気に入らず、アクリジョンだけのスミ入れを試みたのでした。
結論、薄めたアクリジョンでのスミ入れは、十分使えるものでした。
やり方とコツを紹介する中で、メリット・デメリットも解説しますので、興味のある方はぜひ最後までご覧ください。
それでは、本編をどうぞ!
1.アクリジョンを希釈する
今回スミ入れに使うアクリジョンはこの色です。
暗めの青緑色をイメージして調色していきます。
割合は以下のようにします。
- スモークグレー:5
- エメラルドグリーン:3
- インディブルー:3
▲調色スティックで塗料皿に塗料を取り出します。前述の割合は、スティックで取り出す回数です。
▲混ぜるとこんな感じ。狙った色味になりました。思った色でない場合は塗料を足して調整しましょう。
▲希釈はアクリジョン専用薄め液を使います。薄め液は生産が終了していて今は購入できません。これから用意する方はアクリジョン リターダーを購入ください。
▲薄め液を調色したアクリジョンに垂らします。こぼすのが心配な方は、スティックなど棒状のものに伝わせて入れましょう。
▲希釈するとこんな感じです。希釈の割合は目分量ですが、塗料と同じ程度の分量を入れています。濃すぎるとスミ入れしにくいのでシャバシャバにしましょう。
2.スミ入れしていく
塗料の調色と希釈が済んだら、いよいよスミ入れです。
▲筆は幅1mmの細筆を使います。いわゆる面相筆です。細かいミゾだけを狙って塗料を流し込みたいので、太い筆ではやりにくいです。
▲筆先に塗料をチョンと付けて、ミゾに塗料を流します・・・。ですが、アクリジョンを薄めただけのものは全然流れません(笑
▲チョンとやると毛細管現象でパーッとスミが行き渡るエナメル塗料とは大違いで、アクリジョンはほとんど伸びないので、すべてのミゾをなぞって塗料を入れる必要があります。
▲皿に薄め液を取り出し、綿棒に浸します。この綿棒ではみ出た塗料を拭き取っていくのです。
▲ミゾに対して垂直になるように綿棒を動かし、余計な塗料を拭き取っていきます。スミ入れに使ったアクリジョンは薄め液で薄めているため乾燥が遅く、セカセカ急いで拭き取る必要はありません。
▲ざっと拭き取りました。キレイになったように見えますが、若干拭き取りが足りず、パーツ全体に色がスミ入れようと量の色が残っています。
▲キレイな綿棒に取り替え、薄め液を付けてさらに拭き取ります。写真で見てわかる通り、綿棒に水色が付着しており、これは塗膜が溶けたものではなく、表面のスミ入れようの塗料です。
▲同じ作業をすべてのパーツに対して行います。スミが全然流れてくれないので、流し忘れがないように気を付けながら筆でちょんちょん塗料を流します。
▲同じ要領ではみ出て余った塗料を綿棒でふき取りました。淡い水色のパーツに、濃い青緑のスミが入ってモールドがくっきりしました。
3.拭き取りのコツ
3-1.ミゾに対し垂直に拭き取る
▲綿棒はミゾに対して垂直に動かして拭き取ります。
(写真の矢印の方向)
これはミゾの中の塗料を必要以上に拭き取らないためで、ミゾと同じ方向に綿棒を動かすと、ミゾのに溜まった塗料まで拭き取ってしまい、スミが薄くなってしまうのです。
拭き取る際はミゾに塗料が残るように意識して、綿棒を動かす用にしましょう。
3-2.浅い溝は彫り直す
▲スミ入れしてみたら、スミが入りにくい場合があります。
これは塗装やトップコートの塗布でミゾが埋まり浅くなってしまったためです。
ミゾが浅いとキレイにスミが入らないので、ケガキ針を使って彫り直します。
塗料で埋まった浅い溝は、彫り直す際に針先がずれることが多いので、力を入れず慎重に彫り直しましょう。
はみ出してしまっても傷が浅ければ、目の細かいヤスリで軽く整えトップコートを吹けばリカバリーできます。
▼塗装した作品はミゾが浅くなることが多いです。キレイなスミ入れのために1本持っておくと便利です。
3-3.綿棒はこまめに取り換える
▲汚れた綿棒はこまめに取り換えましょう。
汚れたままでは、はみ出た塗料をキレイに拭き取ることはできません。
もったいないと感じるかもしれませんが、気にせずジャンジャン取り換えましょう。
安い綿棒で十分拭き取れるので、100円ショップやドラッグストアなどで購入すると良いでしょう。
※アクリジョンの塗膜は乾くと硬化するため、スミ入れで希釈したアクリジョンを流しても、塗膜が滲むことはありません。
4.仕上がりの確認
▲スミ入れが完了したHGジムさんです。
(赤いパーツはリアルタッチマーカー リアルタッチグレー3でスミ入れしました)
淡い水色に濃いめの水色のスミが入り、黒でスミ入れするより目立たず程よいアクセントになっています。
▲腰部です。拡大するとスジボリのガタガタが目立ちますが、スミはイイ感じに入っています。
半分程度のモールドが塗装とトップコートで浅くなっていたので、ケガキ針で彫り直しました。
▲脚部です。いい具合にスミが入っています。
▲頭部の仕上がり。一部、下地のマホガニーが顔を出していますが、モールドに水色のスミが入っています。
まとめ
以上、中性洗剤を使わずアクリジョンと薄め液だけでスミ入れする方法の解説でした。
エナメル塗料でも好きな色を作ってスミ入れできますが、アクリジョンの場合はパーツが割れるリスクがないのがメリットです。
ただ、気を付ける点もありました。
- スミが流れないので塗り忘れのリスクがある
- 若干周りに色が残る
中性洗剤を入れていないので、毛細管現象が起きず塗料が全く流れません。
アクリジョンだけを使ったスミ入れでは、すべての溝を塗らないとスミの入れ忘れる箇所が出てしまいます。
また、塗料が流れないのでミゾ以外に余計な塗料がたくさん付きます。
そのため、拭き取り切れなかった塗料がパーツ表面に残ってしまうのです。
ですが、臭いがないのに加えパーツが割れる心配もなく、中性洗剤を使ったときのぬるぬる感もないので、スミ入れの手段としてはアリだと思いました。
興味がある方は、記事の内容を参考に試してみてくださいね!
それでは、ステキな筆塗りライフを!
▼アクリジョンの薄め液は生産が終了したので、希釈にはリターダーを使いましょう。
▼記事で紹介したHGジムさんの作例ページです。良ければどうぞ!
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