ガンプラをウェザリングしよう!ウォッシング/ドライブラシ/チッピング
ウェザリングとは模型の塗装技法の1つで、風化や経年劣化、擦過、被弾による汚れや錆、塗装剥げなどを再現するもので、「汚し塗装」などと呼ばれています。
実際に使い込んだ雰囲気が出るので、リアル思考の方は好んで使うテクニックで、非常に奥が深いものでもあります。
本記事では、そんなウェザリングの中から定番の技法とそのやり方を紹介します。
- ウェザリング
- ウォッシング
- ウェザリングマスター
- ドライブラシ
- スポンジチッピング
- 色鉛筆
- トップコート
それでは、本編をご覧ください。
前記事(【応用編】筆塗りのコツ)で塗装したパーツに、デカール貼り・ウェザリングを行います。
1.ウェザリングとは
冒頭で述べたとおり、ウェザリングとはプラモデルにおける塗装技法のひとつ。もともとのweatheringという語は「風化」を意味します。
風雨が及ぼす影響や、太陽光による退色と埃、雨だれの跡や錆、装甲の擦れによる塗装ハゲ、排気やスス汚れなどを表現するものです。
- ウォッシング
- ドライブラシ
- スポンジチッピング
本記事では、代表的な上記のウェザリング手法について解説します。
2.ウェザリングはデカールを貼ってから
塗装したガンプラのパーツにデカールを貼っていきます。
ウェザリングをする場合、デカールはウェザリングの前に貼ります。
汚したパーツにキレイなデカールが貼られていると違和感があるので、デカールを貼ってから汚し塗装をするのです。
デカールは好みの水転写式のものを用意しましょう。
デカールを貼り終えたら、トップコートを塗布します。
デカールは剝がれやすく触っているうちに取れてなくなることがあります。
剥がれないようトップコートを吹いてデカールを保護するのです。
▲お手軽な缶スプレータイプのトップコートを使います。この後のウェザリングで汚れが程よく付着するよう、半光沢をチョイスしました。
※汚れの付着度合いは光沢→半光沢→つや消しの順に強くなります。
▲スプレーはパーツから20cm程度離して吹きます。吹き始めは勢いが強く、吹き過ぎにつながるのでパーツから外します。臭いが強いので塗装環境がない場合は屋外での実施を強くオススメします。
▲このように表面がテラテラと光る程度に吹き付けておきましょう。乾くまで放置します。(1~2時間程度)
デカールを貼っていない場合でも、ウェザリングの前にトップコートを吹いた方が良いでしょう。
汚れが定着しやすくなり、塗料からパーツを保護してくれます。
3.ウェザリングしていく
トップコートが乾いたらウェザリングに取り掛かります。
定番の技法を使いパーツを汚していきましょう。
宇宙での運用でついた汚れを表現していきます。
3-1.ウォッシング
ウォッシングとは、薄く希釈した塗料でパーツを洗うように塗るウェザリングの定番技法です。
塗ったあとに拭き取ることで、表面に残った塗料が汚れを帯びた雰囲気を出してくれます。
拭き取ってもミゾに塗料が残るので、ウォッシングでスミ入れも同時に行うことができます。
▲専用塗料「Mr.ウェザリングカラー」のシェイドブラウンを使います。ウェザリングカラーは油彩系の塗料で、パーツが割れることがあるのでトップコートを吹いてから塗布しましょう。
▲ビン底に顔料が沈殿しているため、筆を入れて底から良くかき混ぜます。
▲混ぜた塗料を塗料皿に取り出します。希釈すると量が増えるので気持ち少なめに。
▲専用の薄め液で希釈します。一度に出過ぎないよう筆に伝わせ少しずつ注ぎます。
▲希釈の割合は目指す汚しの程度によって変えます。今回はうっすらと汚れる程度にしたいので、2倍に希釈しました。
▲筆でパーツ全体に塗りたくります。塗り忘れがあるとキレイな部分が残ってしまうので、くまなく塗りたくります。
▲塗料を塗ったらキムワイプ(硬いティッシュ)などで大雑把に拭き取ります。
▲拭き取るとこんな感じになります。完全に拭き取らず、ある程度汚れが残っている状態で大丈夫です。
▲つづいて綿棒を使い、残った汚れを拭き取っていきます。専用薄め液に綿棒を浸します。
▲浸した綿棒でパーツをやさしくこすり、残った塗料を拭き取ります。綿棒が汚れたらすぐ取り替えましょう。汚れた綿棒ではキレイに拭き取れません。
▲拭き終えたパーツがこちら。汚したかどうか分からないくらいキレイになりましたがこれで良いのです。モールドはスミが入ってイイ感じです。
3-2.ウェザリングマスターでお化粧
つづいて、タミヤのウェザリングマスターでお化粧をしていきます。
ウェザリングマスターは手軽にリアルな汚しが楽しめるマテリアルで、付属の専用ツールは、一方が筆でもう一方がスポンジになっており、面に擦りつけて使います。
▲今回はススを使います。スポンジに擦りつけたウェザリングマスターを、パーツのフチにポンポンします。
▲ポンポンした後はこんな感じです。宇宙でススは付きませんが、雰囲気重視で汚しています。付け過ぎた場合は指で擦るなどすれば馴染みます。
3-3.ドライブラシで表情付け
今度はドライブラシを施します。
ドライブラシとは、筆についた塗料をカスカスになるまで拭き取り、ほとんど乾いた状態で塗りつける技法です。エッジや凹凸を強調し立体感を出すことができます。
宇宙線での退色を表現していきましょう。
▲ふたたびMr.ウェザリングカラー。今度はグレイッシュブラウンという少しくすんだ茶色を使います。
▲筆は毛が短く硬いものが使いやすいです。筆者は安物の絵筆の先端をハサミで切り、短くしたボロボロの筆を使っています。
▲筆につけた塗料をキムワイプで拭き取ります。ドライブラシ用の筆なので雑に扱っても問題ありません。ペーパーに塗料がほぼつかなくなるまで拭き取ります。
▲乾いた筆を擦りつけます。塗料が付きすぎるようなら、もう一度筆をペーパーで拭き取ります。
▲グレイッシュブラウンのドライブラシが完了しました。ブラシをする前と比べ一段色がくすんだのがわかるでしょうか。
▲つづいて少し明るい「ホワイトダスト」を使ってドライブラシをしていきます。退色表現の仕上げです。
▲塗料皿に取り出した塗料をたっぷりと筆につけます。このあと拭き取るのでもったいない気もします。
▲今度もペーパーに塗料がつかなくなるまで入念に拭き取ります。筆先がカスカスになるまでです。
▲乾いた筆をパーツに擦りつけていきます。全体の退色表現と、エッジの強調を意識します。
▲凹凸部分へのドライブラシは立体感の強調に有効です。凸部分だけ塗るように筆を素早く動かします。
▲ドライブラシ完了です。パーツ表面の色味が薄くなり、使い込んだような雰囲気が出たのではないでしょうか。やり過ぎるとクドくなるので加減が大切です。
▲ドライブラシが終わったら今の状態をセーブ(保存)します。つや消しのトップコートを吹きかけておきましょう。
3-4.スポンジで塗装ハゲ
つぎはスポンジチッピングという技法で、パーツの塗装ハゲを表現していきます。
スポンジに塗料を付け、ポンポンとスタンプしていくイメージです。
スポンジの凹凸が、ランダムな塗装ハゲを表現してくれます。
▲塗装ハゲにはメタリックカラーの「焼鉄色」を使います。塗装が剥げて金属がむき出しになった様子を表現します。
▲はじめに目の粗いスポンジを使い、大きな塗装ハゲをスタンプしていきます。スポンジは台所用のもので構いません。
▲ピンセットでスポンジをつまみ、塗料を付けていきます。
▲余分な塗料ティッシュでを拭き取っておきます。スタンプしたときに塗料が付き過ぎるのを防ぐためです。
▲ベタっと押し付けるのではなく、ちょんちょんとスタンプする感じで塗装ハゲを描き込みます。
▲スタンプした後がこちら。やり過ぎは嫌いなのでこのくらいに留めておきます。
▲お次は目の細かいメラミンスポンジを使います。大きな塗装ハゲをスタンプした後、周辺に小さな塗装ハゲをスタンプするのです。
▲スポンジに塗料をちょんとつけ、ティッシュで適度に拭き取ります。
▲先ほどと同じ要領でポンポンとスタンプします。大きな塗装ハゲの周辺や塗装が剥げやすいであろうパーツのフチを中心に行います。
▲塗装ハゲのスタンプが完了しました。もうすぐ完成です。
3-5.色鉛筆でハイライト
▲仕上げにクリーム色の色鉛筆でハイライトを描き込んでいきます。
▲塗装ハゲの周辺、パネルラインの淵、凹凸部分に軽くササっと描き込みます。つや消しのトップコートを吹いているので、色が定着しやすいです。
▲描き込んだらトップコートで保護します。色鉛筆は色が溶けて薄くなりやすいので、水性のトップコートを吹きましょう。
▲トップコートが乾いたら完成です!
4.ウェザリング完了
まとめ
以上、デカール貼り、ウェザリング手法の解説でした。
今回紹介したものは定番のもので、比較的少ない道具で行えます。汚し塗装にチャレンジしたい方の参考になればうれしいです。
最後までご覧いただきありがとうございます。
それでは、ステキな筆塗りライフを!
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