【塗装・改造目線】HG辟邪 レビュー|手はかかるが作り甲斐があるキット
機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズからHG 辟邪(ヘキジャ)の素組みレビューです!
同作品TVシリーズ第2弾で登場したMSで、企業複合体「テイワズ」を構成するタービンズで運用されたそう。(私は作品を見ていないのでイマイチわかりません)

デザインがとにかくカッコよくて、TVシリーズを見ていないにもかかわらず思わず手に取ってしまったキットです。
- 組みやすさ
- 色分け再現
- 合わせ目
- 可動
キットは2017年1月発売。
百里、百錬、漏影と同様「テイワズ・フレーム」をベースにしているそうです。
機体解説
<百里>、<百錬>の開発データを生かし、後継機として<テイワズ>が開発を進めているのが<辟邪>である。
すでに量産体制が整っている<獅電>とは違い、高性能新型量産機の位置に置かれている<辟邪>の開発には時間が必要となり、現在テキスト機によるデータ収集の段階にある。そのため、機体数は限られた状態にあるが、開発自体は順調で、<百里>の高機動性と、<百錬>の高出力の両立を目指すという当初のコンセプトは言葉通りに実現している。
操作性にも細かい配慮がなされ、パイロットの負担を軽減する仕様になっている。操作性能の向上を目指した背景には、<ヒューマンデブリ>の利用拡大に伴い、<阿頼耶識システム>に対抗する必要性が影響していた。
所属は兄弟組織<タービンズ>でありながら、<獅電>の訓練教官役として<鉄華団>と行動を共にしている時間は長い。当初は名瀬・タービンのもとへ早く帰りたいと愚痴っていた彼女だったが、<鉄華団>の面々とかかわるうちに、彼女にも変化が訪れた模様。
登場当初は新型機として期待されたものの、アニメ本編では目立った活躍シーンは比較的少なく、すぐに後継機や他の主力機(獅電など)に主役の座を譲りがちだったそうです。
HG 1/144 辟邪
(公式サイト)
1,100円(税込)
2017年01月14日発売
価格が初期HGUCのキット並みに安いですね…!どんなキットなのでしょうか。
それでは、本編をどうぞ!
1.HG辟邪 全体像





フェイズパーツが仮面のようになっています。
ゴツゴツした中にスリムさが同居しており、非常に個性的&カッコいいプロポーションです。
ディテールが多いわけではありませんが、凹凸のある形状で情報量が多い印象。
関節はPS樹脂で一部はポリキャップで接続します。
ABS樹脂は使われていませんでした。

付属品はご覧の通りで非常に少ないです。
価格が安いのも納得ですね。
- バヨネットライフル
辟邪用の武装として、MS開発に合わせて製造されたライフル。
精密射撃を必要とする際は、辟邪腕部のブレードを展開することで銃身の固定を強化する。廃部にマウントが可能。 - ヒグチブレード
辟邪用の装備として研究が行われている試験運用中の武装。
辟邪の機動性を生かした戦闘スタイルを実現するため、特殊な形状が採用された。

付属品は少ないのですが、色分け再現用に大容量のホイルシールが付属します。
見てください、こんなにシールで色分けする部分があるのは珍しいのでは。
2.可動の確認

▲肘は二重関節ではありませんが、180度近く曲げることができます。
また、前腕に備わっている両腕部回転ブレードは前方に引き出せます。(個体差かもしれませんが、結構プラプラでした。)

▲膝は二重関節で、且つ干渉する部分がないのでほぼ180度まで曲げることができます。
おまけに宇宙世紀系MSのようなフロントアーマーがないので、膝もかなり持ち上がります。


▲肩部・背面の大型展開型スラスターは前面、背面ともに開閉することができます。
(前面の可動は何の意味があるのだろう…)

▲デザイン的に干渉部が少なく可動は良好ですが、頸部が若干長いため立ち膝ポーズはこんな感じです。
機動性が売りの機体なので立ち膝ができなくても問題ないですね。
3.気になるポイント
合わせ目やパーティングライン等、キットの気になるポイントを見てみましょう。
3-1.合わせ目
実はこのキット、めちゃくちゃ合わせ目が多いです。
劇中の登場シーンもあまりないので、開発も力が入ってないのかな…(;_;)
頭部 HEAD


▲頭部は左右でハメ合わせるため正面・背面の中央に合わせ目が出ます。
正面は仮面のようなパーツをかぶせるので目立ちませんが、しっかり消した方が格好が良いです。
(後ハメ加工は不要です)
腕 ARMS


▲肩部にある大型の展開型スラスターは左右でハメ合わせるため、中央に目立つ合わせ目が出ます。
可動する展開部を挟み込む構造なので、合わせ目消しには後ハメ加工が必要です。


▲腕部です。左右でハメ合わせる構造のため、正面・背面ともに目立つ合わせ目が中央に出ます。
肘関節を挟み込む構造なので、合わせ目消しには後ハメ加工が必要です。
脚 LEGS

▲脚も腕と同様左右でハメ合わせるため中央に目立つ合わせ目が出ます。関節を挟み込む構造なので合わせ目消しには後ハメ加工が必要です。また、背面中央にスラスターが造形されているため合わせ目消しは難しそう。

▲脚部正面も中央に合わせ目が出ます。凸部分の頂点に出るため処理しなくてもあまり目立たないかもしれません。

▲大腿部の側面にも合わせ目が発生します。説明書の完成見本では消されていましたが、処理が大変なのとデザイン的にモールドにも見えるので、”あえて処理しない”のもありだと思います。
武装 WEAPONS

「モナカ構造」が多いガンプラの銃火器は、本キットも例にもれず中央に合わせ目が出るモナカ構造です。
比較的シンプルな形状なので合わせ目消しの難易度は低そうです。
関節部 JOINTS



▲股関節、肩部関節、膝関節裏も中央に合わせ目が出ます。
が、関節を可動させると合わせ目部分がが動く作りなので、合わせ目消しができません。
ここは割り切って段落ちモールドにするのが良いでしょう。
合わせ目消しのやり方が気になる方はこちらをご覧ください。

3-2.パーティングライン
パーティングラインとは、パーツ成型に用いる金型の合わせ目です。わずかに盛り上がった”線”ができます。
デザイン上は存在しないものなので、デザインナイフの背やヤスリなどで削り落としましょう。




3-3.肉抜き
「肉抜き」とはプラモデルパーツにある空洞で、パーツ成型時のゆがみ防止や強度を保つために設けられたものです。
そのままにするとおもちゃっぽいので、完成度にこだわる方はレジンやパテ、プラ板で埋めてしまいましょう。

▲足の裏にとても目立つ肉抜きが。ギミックの1つである「突撃携帯」をとると正面から丸見えになるので、プラ板やレジンなどで埋めたいところです。

▲肘関節を曲げると側面に肉抜きが。あまり目立たちませんが、処理する際は可動部に干渉しないよう注意しましょう。

▲膝関節も曲げると肉抜きが。ディテールの一部とみることもできますが、どうもカッコ悪いので私は埋めてしまいたい気持ちでいっぱいです。

▲こちらも目立ちませんが、背面のシリンダー基部にハッキリと肉抜きが。ポーズをとると見えるので拘る方は処理をおススメします。

▲肉抜きとは言えないかもですが、展開型スラスターの前方裏側はスカスカで非常におもちゃっぽいので処理した方がカッコいいです。
3-4.ヒケなど

▲”ヒケ”とはプラスチックパーツが成形時に冷えて収縮することでパーツの表面にできる”へこみ”です。表面に凹凸ができるので、そのままにしておくとオモチャっぽさが出てしまいます。
大抵のものはヤスリで削り平面を出すことで対応できます。
(ひどいものは瞬間接着剤やパテで埋める場合も)
▲プラモデルのパーツを成形する金型から成形済みのパーツを外す際、”押し出しピン”でパーツを押し出します。その際の跡が目立つ部分に出ると格好が悪いので処理したいポイントです。
瞬間接着剤で埋めて削ったり、大きさの合う丸いプラ棒を接着して余った部分を切り落としたりすると処理できます。

3-5.その他の気になりポイント

▲腕部を接続する部分のポリキャップがむき出しで、腕を引き出すとめちゃくちゃ目立ちます。おもちゃ感が強いので塗装をしたいところですが、軟質素材のためプライマーを使うなど工夫が必要になります。

▲上半身と下半身を接続する部分はPS樹脂素材の細い軸です。動かして遊んでいるとすぐに折れてしまいそう…。気を付けて扱う必要がありそうです。

▲股関節と大腿部の接続部もPS樹脂の細い軸です。無理に力を入れてつけ外ししていると折れそうなので気を付けましょう。
4.色が足りない部分
このキット、シールでの色分けが多く成形色の色わけが足りない箇所がヒジョーに多いです。
ちょっと見てみましょう。




シールは光沢のある「ホイルシール」なので、貼るとどうしてもおもちゃに見えてしまいます。
大変ですがここは塗装で色分けを再現したいところです。
(色分け箇所が多いので、このさい全塗装でもあまり変わらなさそう…)
まとめ
以上、HG 辟邪の素組みレビューでした!
気になるポイントが多いように見えますが(事実多いですが…笑)、個人的にプロポーションは大好物なのでかっこよく仕上げてみたいキットです。





再版されることはほぼないと言っていいキット。見つけたらラッキーです!
ネット通販でも入手できるので、興味がある方は手に取ってみてくださいね。
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは、ステキなガンプラライフを!
合わせ目消しはプラセメントを使ってコツコツ処理しましょう。








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