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塗料

アクリジョンってどんな塗料?特徴・発色・乾燥時間・塗膜強度を解説!

筆塗りおじさん

水性塗料のアクリジョンを知っていますか?

アクリジョンは乾燥時間の遅さや塗膜の弱さ、有機溶剤による臭いの問題を解決し、安全性と塗装環境の改善を目指した新世代の水系エマルジョン塗料で、GSIクレオス社から2013年に発売されました。

そんなアクリジョンですが、同社先発の水性ホビーカラーと比べ知名度が低く、こんな疑問を持つかもしれません。

  • どんなところが良いの?
  • 隠ぺい力が弱いって聞くけど大丈夫?
  • 乾燥時間はどれくらい?
  • 水性ホビーカラーとどこが違うの?
  • 色数はどれくらい?

そこで本記事では、アクリジョンの良さ知ってもらうため、特徴や発色、乾燥時間、塗膜の強さといった塗料の性能を、写真付きで詳しく解説します。

アクリジョンがどんな塗料かわかるので、興味のある方は、ぜひ最後までご覧ください。

それでは、本編をどうぞ!

水性塗料「アクリジョン」の特徴

acrysion-red

アクリジョンは、GSIクレオス従来品の水性ホビーカラーから乾燥の遅さや塗膜の弱さ、有機溶剤による臭いを改善した水系エマルジョン塗料です

エマルジョンとは、化学用語で「水と油のように混ざり合わない液体の一方を微粒子にして他方に分散させること」を指します。顔料が乳化した状態の塗料です。

色数は90色(2025年12月26日現在)。

アクリジョンには主に以下の特徴があります。

  • 有機溶剤の嫌な臭いがない
  • 水だけで希釈・洗浄できる
  • 乾燥後は耐水性化(水で溶けない)
  • 乾燥が早い
  • ABS※1製パーツを侵食しにくい

「嫌な臭いがない」点だけを見ても、塗装ブースなど専用の塗装環境を持たないリビングモデラ―に適した塗料だと言えそうです。

▼他の塗料との重ね塗り可否はこちらをどうぞ

アクリジョンは他の塗料と重ね塗りできるの?ラッカー・エナメル・水性塗料
アクリジョンは他の塗料と重ね塗りできるの?ラッカー・エナメル・水性塗料

※1 ABS … プラスチックの一種で、硬くて衝撃に強いためガンプラの関節・フレーム等に用いられます。塗料の有機溶剤により脆くなり割れやすくなります。

アクリジョンの発色

さっそくアクリジョンの発色を見てみましょう。

プラスチックスプーンを使ってカラーテストをしてみます。

<テスト対象カラー>

  • 赤色系 … シャインレッド
  • 黄色系 … イエロー(黄)
  • 緑色系 … エメラルドグリーン
  • 青色系 … ブルー(青)

▲ テストには白スプーンを使用。
白い素地は発色に影響しないため、塗料そのものの色を確認できます。

水性塗料を筆塗りするとムラになりやすいので、薄く何度も塗り重ねるのがキレイに塗るコツです。

塗料は希釈せず、瓶から出したままで使います。

赤系色

シャインレッド_5回目

▲赤色系「シャインレッド」の発色です。
公式の色見本通り鮮やかに発色しています。

※5回重ね塗りしています。

塗り重ねによる変化

4回目でも概ね発色していますが、5回塗るとよりきれいに発色します。

シャインレッド_1回目
シャインレッド_2回目
シャインレッド_3回目
シャインレッド_4回目

▼重ね塗りでキレイに発色します!

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黄色系色

イエロー5回目

▲黄色系の「イエロー(黄)」です。
シャインレッドと同様、公式の色見本どおりに発色しています。

重ね塗りの回数による発色の違いも見てみましょう。

塗り重ねによる変化

イエローは隠ぺい力が弱く、4回目までは若干ムラが残っています。

アクリジョンで最も隠ぺい力が弱いのが、この黄色系塗料です。

イエロー1回目
イエロー2回目
イエロー3回目
イエロー4回目

隠ぺい力の弱さ対策は、記事の後半で解説します。

緑系色

エメラルドグリーン5回目

緑色系「エメラルドグリーン」です。

問題なく発色していますが、少しムラが出てしまいました。
白下地に塗った場合、筆ムラが出やすい印象でした。

塗り重ねによる変化

4回目まではムラが目立つので、5回塗り重ねた方が良さそうです。

エメラルドグリーン1回目
エメラルドグリーン2回目
エメラルドグリーン3回目
エメラルドグリーン4回目

青系色

ブルー5回目

最後は青色系の「ブルー(青)」です。

とてもきれいに発色しており、ムラはありません。

塗り重ねによる変化

3回でも十分に発色しています。隠ぺい力が強く発色が良いですね。

ブルー1回目
ブルー2回目
ブルー3回目
ブルー4回目

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きれいに発色させるには塗り重ねが必要

どの系統の色も良く発色しましたが、色によっては発色するまでに5回塗り重ねたものがありました。

塗り重ねの回数が多いと、失敗する可能性が上がります。

きれいに塗装するためには、以下の点に気を付けましょう。

きれいに筆塗りするポイント
  • 1回で発色させようとしない
  • 塗料は筆に少量とる
  • 薄く塗り広げる
  • 完全に乾いてから次を塗り重ねる
ふでおじ
ふでおじ

アクリジョンは薄く塗ると、15~20分で乾燥します。

▼筆塗りのコツは次の記事をご覧ください。

【誰でもできる】ガンプラ筆塗り塗装のコツを紹介!希釈せず薄く塗るべし

色によい異なる隠ぺい力

隠ぺい力とは”塗料が下地の色を覆い隠す力”のことです。

塗料は色により隠ぺい力が異なり、アクリジョンは特にそれが顕著なので塗装の際は注意が必要です。

色による隠ぺい力の違いはこんな感じ。

隠ぺい力が高い色・低い色

隠ぺい力の違いをテスト

▲色による隠ぺい力を確認するため、黒と薄グレーのスプーンを使って試し塗りしてみます。

※スプーンの表面はヤスリで荒らしています。

シャインレッド

シャインレッド_白スプーン
シャインレッド_グレースプーン
シャインレッド_黒スプーン

イエロー

イエロー_白スプーン
イエロー_グレースプーン
イエロー_黒スプーン

エメラルドグリーン

エメラルドグリーン_白スプーン
エメラルドグリーン_グレースプーン
エメラルドグリーン_黒スプーン

ブルー

ブルー_白スプーン
ブルー_グレースプーン
ブルー_黒スプーン

※塗り重ねの回数はそれぞれ5回

グレーのスプーンはどの色も概ね発色していますが、黒のスプーンは発色が芳しくない色がありました。

特に、赤色や黄色は隠ぺい力が弱く、黒い下地にそのまま塗った場合はほぼ発色しません。

この発色ではアクリジョンは使えないのでは…と思うかもしれませんが、安心してください。
専用下地塗料のアクリジョンベースカラーが、隠ぺい力の問題を解決してくれます。

発色を助ける下地塗料:ベースカラー

アクリジョンベースカラー

アクリジョンには発色を助ける下地塗料「アクリジョンベースカラー」が用意されています。
(白・灰・赤・黄・青・緑の6色)
GSIクレオス公式

同系統の色を下地として塗ることで、重ねた塗料の発色が格段に向上するのです。

今度はベースカラーを使い、隠ぺい力の弱い赤・黄の発色がどの程度向上するか見てみましょう。

重ね塗りの回数は次の通りです。

  • 赤系
    ベースレッド × 2回 
    シャインレッド × 2回
  • 黄系
    ベースイエロー × 2回 
    イエロー × 2回

赤系色

黒スプーン_ベースレッド×1
黒スプーン_ベースレッド×2
黒スプーン_ベースレッド×2+シャインレッド×1
黒スプーン_ベースレッド×2+シャインレッド×2

黄系色

黒スプーン_ベースイエロー×1
黒スプーン_ベースイエロー×2
黒スプーン_ベースイエロー×2+イエロー×1
黒スプーン_ベースイエロー×2+イエロー×2

結果

ベースカラーを下地にすると、単体では発色しなかった赤色・黄色がきれいに発色しました。

スプーンの素地をベースカラーが覆い隠し、重ねる塗料の発色を向上させたのです

このように、ベースカラーを使いこなせば、思い通りにアクリジョンの筆塗りを楽しむことができます。
むしろ、隠ぺい力が弱い色を塗る際は、ベースカラーが必須といっても良いでしょう。

ベースカラーの詳しい使い方は次の記事にまとめています。
よろしければどうぞ。

アクリジョンベースカラーの使い方を解説|筆塗りでベースカラーを使いこなそう!
アクリジョンベースカラーの使い方を解説|筆塗りでベースカラーを使いこなそう!

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アクリジョンの塗膜は強い

5回重ね塗りしたスプーンを使って塗膜の強さを確認してみます。

指でごしごし
指で強く擦る
爪でカリカリ
爪で引っかく
デザインナイフでカリカリ
ナイフで擦る

指や爪で強く擦っても傷はつかず、刃物やピンセットなどで強めに擦ると、わずかに傷がつく程度でした。

加えて、アクリジョンは乾燥すると耐水性になり、多様性のある塗膜を形成します。乾燥すれば上からどんな種類の塗料を塗っても溶解しません。

アクリジョンの塗膜は非常に丈夫です。

乾燥時間は15~20分

希釈しない状態で薄く塗ると、アクリジョンの乾燥時間は15分~20分です。

この程度の時間なら他のパーツを塗る間に乾くので、スピーディに塗装することができます。

ただし、乾燥時間は湿度や塗膜の厚さによって変わるので、筆で触って跡がつくようなら、もう少し時間を置いた方が良いでしょう。

水性ホビーカラーとの違い

同じ水性塗料の「水性ホビーカラー」はアクリジョンと異なり有機溶剤を含みます

大きな違いは次の通りです。

同じところ
 ・ 水で洗える・希釈できる(筆塗りなら)
 ・ 色味


大きく違うところ
 ・水性ホビーカラーは有機溶剤系塗料
 ・ アクリジョンはエマルジョン塗料
  (水がベース)

 ・ 水性ホビーカラーは下地を溶かす
 ・ アクリジョンは溶かさない

※参考:GSIクレオス ホビー部 公式「X

詳細は次の記事にまとめています。

アクリジョンと水性ホビーカラーはココが違う!臭い/ABSの侵食/下地塗料の有無
アクリジョンと水性ホビーカラーはココが違う!臭い/ABSの侵食/下地塗料の有無

FAQ

  • Q:アクリジョンは臭わないって本当?
    • A:はい、主成分が水なのでほとんど臭いません。瓶に鼻を近づけて嗅ぐとさすがに少し臭いはしますが、シンナーの臭いではなく水彩絵の具のような臭いです。換気しない屋内でも私は臭いが気になったことはありませんが、心配なら少し窓を開けて塗装すれば問題ないでしょう。
  • Q:アクリジョンは希釈しなくていいの?
    • A:はい、希釈する必要はありません。GSIクレオス社の公式ページにも、その旨の記載があります。粘度が高く塗りにくい場合は、水またはアクリジョンリターダー(推奨)を1、2滴加えてください。
  • Q:塗装後の筆はどうやってお手入れするの?
    • A:乾燥して硬化する前は水で洗えばきれいになります。クレオス社のフデピカリキッドで洗浄した方が筆へのダメージを軽減できます。フデピカリキッドの場合は乾燥して硬化した場合でも洗浄可能です。
  • Q:アクリジョンはエアブラシでは塗装できないの?
    • A:いいえ、エアブラシでも塗装可能です。その場合は、アクリジョン エアブラシ用うすめ液改で1:0.3程度に希釈します。

デメリット・対策まとめ

  • 赤・黄・白は隠ぺい力が弱い
    → アクリジョンベースカラーを併用して発色を改善させる
  • エアブラシが詰まりやすい
    → エアブラシ用のうすめ液で希釈して利用する
  • 乾燥が早く、筆ムラ・ダマになりやすい
    → 筆に塗料を含ませすぎない。筆をこまめに洗う

まとめ:進化した水性塗料アクリジョン

以上、アクリジョンの性能を解説しました。

今回のポイントをまとめると、次の通りです。

まとめ
  • 白い下地なら発色は良好
  • 発色が悪ければベースカラーを使う
  • 薄く塗れば15~20で乾燥する
  • 乾けば塗膜は簡単に剥がれない

結論、アクリジョンは水性ホビーカラーと同様、十分有用な塗料と言えます。

臭いが弱く水だけで手軽に扱える「進化した水性塗料」アクリジョン。初心者に優しい塗料なので、是非記事を参考に塗装を楽しんでみてくださいね!

最後までお読みいただきありがとうございました。

それでは、素敵な筆塗りライフを!

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▼アクリジョンの筆塗りに必要なもはこちら。

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プロフィール
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会社員 | リビングモデラー
東京在住のリビングモデラ―。会社員として働きながら暇さえあればガンプラをいじる子供おじさん。塗装環境が不要なアクリジョンの筆塗りを好み、いまいち知名度が上がらない同塗料の普及を企んでいる。

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