【塗装・改造目線】HGガンダムバルバトスルプス レビュー|獣を冠した異形のMS
『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』から、主人公機「ガンダムバルバトスルプス」の素組みレビューです!
ボロボロになったバルバトスをオーバーホールし、外装・武装を一新した機体です。
「ルプス」とはラテン語で”狼”の意味で、獣を思わせるシルエットが特徴的なMSであります。
ちなみに、テレビシリーズ第2期からの登場です。

- 組みやすさ
- 色分け再現
- 合わせ目
- 可動
機体解説
エドモントンの地における激しい戦いのあとも、<バルバトス>はパイロットの三日月・オーガスとともに<鉄華団>の最前線に立ち、数多くの先頭を乗り越えてきた。その度に機体の損傷は蓄積し、<鉄華団>の整備員では修復が困難な状態にまで陥った。
<バルバトス。は一時的に<テイワズ>の本拠地<歳星>のMS工房に預けられ、オーバーホールを受けることとなる。その際、三日月・オーガスの戦闘データをもとに、機体の反応速度及び機動性の向上が図られ、<阿頼耶識システム>を通して、より一層パイロットの感覚にモビルスーツの挙動を近づける調整が行われた。
同時に、武装一式も三日月の戦闘スタイルに合わせて再構築がなされ、完成したのがこの<バルバトスルプス>である。
宇宙世紀のMSにはないトゲトゲしく独特なデザインです。
キットのランナーは3枚と少な目で、価格が安いのには少々驚き。
それでは、どんな感じか見てみましょう。
HG 1/144 ガンダムバルバトスルプス
(公式サイト)
1,430円(税込)
2016年10月発売
1.HGガンダムバルバトスルプスの全体像




前腕とスネが長いシルエットです。
ディテールはHGキットにしては細かく、装甲の合間から除くガンダムフレームと相まってめちゃくちゃカッコイイです!
細身だったバルバトスと比べ、ルプスはゴツゴツとした装甲が力強さを感じさせます。

付属品はご覧の通り。
- ソードメイス
- ハンドパーツ + 2
- バックパック用のジョイント
- ホイルシール
以上です。
劇中で登場の腕部200mm砲は、別売りのオプションパーツだそうです。
武装が少ないのでランナー数が3枚に収まっているのですね。

シールによる色分けは多めで、塗装で表現する場合は塗り分けが大変そうです。

かかとがハイヒール状なので、一般的なHGキットより身長は高めです。
※HGグレイズさんとの比較
2.各部詳細
2-1.上半身

上半身です。
一般的なMSより前腕が長く、腰はフレームが剥き出しで面白い見た目をしています。
全体的にモールドが多く情報量は盛沢山。スミ入れすると映えそうです。
ただ、設定画にあるモールドの一部が再現されていないので、拘る方はスジボリすると良いでしょう。
2-2.下半身

続いて下半身。膝から下が長くヒールを履いたような見た目で、つま先は爪があるなどオルフェンズ機体は奇抜なデザインが多い印象です。
上半身と同様モールドが多いので、スミ入れが楽しいキットだと思います。
2-3.頭部

▲パーツ成形色だけでこの色分けは素晴らしいですね。カメラアイのみホイルシールでの再現となっています。ブレードアンテナをはじめ、黄色のダクト部分などモールドが施され密度感があります。

▲後頭部にモールドが施されディテール満載です。ケガキ針やタガネで丁寧に掘り込んでスミ入れすると、映えること間違いないですね。
2-4.胴体

▲胴体はトリコロールカラーではなく、白・青・黄色の構成です。首元の白いパーツはシールで黒を補う作りです。ここはシールだと見栄えが悪いため、ペンでも良いので塗装しておきたい部分です。

▲下からのぞいてみましょう。剥き出しになったガンダム・フレームがメカメカしさを演出しており、カッコイイです。モールドやパーツの凹凸により密度感があり手を加えなくても十分映えそうな印象です。

▲バックパックもこれまた変わった形状。中央に二基のジョイントがあり、ここにソードメイスなどの武装をマウントできます。上部の灰色部分はホイルシールで補う形式ですが、上部中央のフィン部分はシールがありませんでした。

▲胴体背面も下からのぞいてみましょう。ディテールのあるガンダム・フレームが露出しており、後ろから見てもスキがありません。シリンダーの下部に小さな肉抜きがあるので、気になる方は埋めた方が完成度が上がります。
2-5.腕部

▲前腕が長く特徴的な形状の腕部です。肩アーマーの赤いパーツは裏から白いパーツをハメ込む形状で、成形色で色分けを再現しています。モールドが多く装甲の隙間からフレームがチラ見えするのがカッコイイです。

▲腕をひっくり返して見ると、二の腕の裏にはフレームに内蔵された動力パイプが見えます。またヒジの黒い部分にはハードポイントがあり、オプション兵装の腕部200mm砲を装着可能です。

▲ハンドパーツは通常のものと、手首に角度が付いたものが、左右それぞれに付属します。これによりソードメイスの自然な両手持ちがきまります。右手だけではないところが嬉しいですね。
2-6.腰部

▲続いて腰部です。サイドアーマーが大型のバインダーになっています。他のパーツと同様にディテール満載な印象。

▲背面から見てみます。後ろは白一色なのですが、実はバインダーの中ほどにあるスラスター部は青色で、ホイルシールで補う作りになっています。

▲股関節はこの時代のキット共通の、いわゆる”三軸ジョイント”で軸自体が左右に動くため可動域は良好です。古いキットの様にボールジョイントではないので、脚部を外す際に軸の破損を気にする必要はありません。
2-7.脚部

▲ゴツゴツとしたフォルムが特徴的な脚部です。バルバトスルプスの獣然とした印象を強めています。まっすぐ立っていてもヒザが曲がっているような見た目です。スネ横のパーツは灰色部分をシールで補います。

▲脚部裏側を見てみましょう。フクラハギの裏側からフレームに内蔵された動力パイプが露出しており、メカニカルな見た目がカッコイイです。かかとは設定画だと赤で、本キットはシールで再現します。

▲モールドが豊富に施されており、スミ入れのし甲斐がありそうです。ヒザ上の▽形のモールドはシールで色分けを再現する作りですが、さすがにここだけはペンでも良いので色を塗ったほうが見栄えがするでしょう。

▲つま先には爪があり、蹴り飛ばした際の攻撃に役立ちそうです。足首はリング型のジョイントが回転することで角度が付く構造です。塗装が剥げるので苦手な方がいると思います。爪は設定画ではグレーでした。
2-8.武装

▲本キットに付属する唯一の武装であるソードメイスです。2パーツ構成で非常に大型です。モールドが施されており、チープな感じは全くありません。
3.可動の確認
▲首は上下によく稼働するので、上向きも顎引きも問題なく決まります。
ジョイントは昔のキットによくあるポリキャップのボールジョイントです。

▲肩アーマーは良く稼働します。白い装甲が上下に稼働するだけでなく、赤い装甲は引き出したあと上にはね上げることができます。腕を上げる際に干渉しない工夫ですね。

▲肘関節は2重関節ではありませんが、90°以上曲がります。充分な可動域です。

▲肩アーマーを跳ね上げることはできますが、アーマーが干渉するため腕はそれほど上げることができません。まあ、上方向への可動はポージングにそれほど影響しないと思います。

▲脚部は非常に良く動きます。ヒザは二重関節が採用されており180弱曲がり、つま先にも稼働軸があるため、踏み込んだ姿勢を取ることが可能です。

▲バインダーは回転軸があるため、前後に大きく動かすことができます。躍動感のあるポージングに一役買ってくれそうです。

▲腰回りも良く動きます。1回転できるかなと思いましたが、バックパックが腰に干渉するため、写真のような捻りが限界なようです。

▲可動域は良好ですが、ヒザ下が長い体形なので膝立ち状態にはなりません。膝は地面に付きませんが、写真のように”膝立ち風”のポーズを取ることはできます。
4.気になるポイント
合わせ目やパーティングラインなど、工作が必要そうな部分を見ていきましょう。

▲尖ったパーツの先端に付いている「安全基準フラッグ」です。ガンダム系MSのブレードアンテナにはもれなく付いています。ケガを防止するためのものでデザイン上は存在しないので、ニッパーで切り落としヤスリで整えたいところです。

▲後頭部の白いパーツと襟足の黄色パーツの中央に、合わせ目が出ます。目立ちにくい場所なので、拘らない人は放っておいても良さそうです。

▲前腕正面にパックリと合わせ目が出ます。割と目立つので接着剤で合わせ目を消してしまいたいところです。ただ、合わせ目はモールドにまたがっているため、キレイに消すには慣れが必要です。また、合わせ目の右側にはパーティングライン(パーツ成形用金型の合わせ目)も見えます。

▲前腕の裏側にも同様に合わせ目がパックリ。こちらもパーティングラインがあるため、ダル目の凸モールドごとヤスリで削り落とし、凸モールドをプラ板で再生した方が効率が良さそうです。

▲バインダーはほぼモナカ構造なので、中央に合わせ目が出ます。気になる人は合わせ目消しをしたいところですが、先ほどの前腕と比べ目立ちにくいので、そこまで気にする必要もない気がします。

▲スネ横の装甲にはパーティングラインが出ます。パーツ成形の過程で発生したデザイン上は存在しないものなので、デザインナイフの背やヤスリで削り落としてしまいたいところです。ただ、このパーツには凹凸のモールドがあるので、誤って削り過ぎないよう注意が必要です。

▲バックパックの上部にも目立つパーティングラインが。上から見ると丸見えなので、削り落とすことを推奨します。面倒ですが、こういったパーティングラインを丁寧に処理することが作品の完成度を高めます。

▲足のフレームとつま先は薄い縦型のジョイントで接続します。ボールジョイントと異なり左右に動かすことはできません。無理な力が入ると折れてしまうことがあるので、ポーズをとる際は気を付けましょう。
5.フレームだけで組んでみる


フレームのみでは組み立てることができませんでしたが、HGキットでこれはすごいです。
塗装派の方はフレームを金属色で塗ると、チラ見えした際に見栄えがすると思います。
KPS素材なので塗装しやすくありがたいですね。耐摩耗性もあります。
※かかとのパーツ、正面から肉抜きが丸見えなので、プラ板などで埋めたいところですね。
まとめ
以上、HGガンダムバルバトスルプスの素組みレビューでした。
パーツが少ない・良く動く・安いの3拍子が揃い、立体物として目にすると非常にかっこいい良キットです!
デザインは、宇宙世紀好きの方には抵抗があるかもしれませんが、食わず嫌いをせずぜひ一度作ってみてほしいです!



シリーズの主役機だけあってか、量販店の店頭でもたまに見かけます。
素組みでゴリゴリ遊んでブンドドしても良し、ディテールを追加してリアルに仕上げても良しの、大変素晴らしいキットでした。
見かけたら、ぜひ手に取って組み立ててみてくださいね!
それでは、ステキなガンプラライフを!
▼Amazonプライムビデオでテレビシリーズが視聴できます!






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