【塗装・改造目線】HGUCケンプファー レビュー

『機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争』から大人気キット、HGUCケンプファーの素組みレビューです!
武装がめっぽう多い「あたおかキット」として名高いHGのケンプファー。
弊サイトでは塗装・改造目線で見てみようと思います。

HGUCナンバーは089と比較的古いキットです。
- 組みやすさ
- 色分け再現
- 合わせ目
- 可動
劇中ではジオン公国サイクロプス隊のミハイル・カミンスキーが搭乗、地球連邦軍のスカーレット隊を全滅させる戦果を挙げています。
- ミハイル・カミンスキー
機体解説
MS-18E ケンプファーは、一年戦争末期にジオン公国軍が立案した「YMS-18」構想の内、単騎での対MS戦と敵防衛線突破能力の獲得に特化されたEタイプ(einhauen type=アインハウエンテューブ=襲撃型)に分類される機体である。
そのコンセプトは、機体各所の大推力バーニアスラスターで一撃離脱の強襲を行いつつ、敵の防衛線を突破してその拠点を攻略するというものである。この機体は、MSとしてはひたすら機動性と運動性を求めた機体であり、設計段階から、自衛用と近接戦闘用以外の武器は、基本的にすべてオプションで供給するというコンセプトを持っていた。そのため、この時期の機体には珍しく専用武装も開発されている。無論、それら各種武装の実戦投入試験の側面もあったことは言うまでもない。
強襲ポイントを確実に制圧するため、単騎として極限までの武装が可能となっており、火器携帯用のラッチが各所に設けられ、公国軍製のMS用兵装であれば、そのほとんどを携行可能である。
ただし、目標に到達するまでの間にジェネレーターの出力低下などの稼働不良を招くことが無いように、ビーム系の兵装は、本体大腿部に内装されたビーム・サーベルのみとなっている。この他、機動性を向上させるべく、装甲も突撃時の前面投影部位以外は極限まで軽量化されており、スラスターなどはほとんど剥き出しとなっている。
これは、この機体の性格が「出撃後の”帰還”はほとんど考えられていない」ものだからである。
ただし、”敵防衛線突破能力”を戦略レベルで考えれば、この機体は偽装した民間のコンテナ艇でパーツを搬入し、敵勢力下にある町工場並みの設備と限られた人員に依って組み立てられており、実働した時点でその性能を充分に発揮したと言うこともできるのである。
実際、サイクロプス隊がリボーコロニーにおいて実戦投入したケンプファーは、作戦の目的で阿多”RX-78NT-1の奪取または破壊”こそ果たせなかったものの、単騎で連邦軍の実質的保護課にあるコロニーに潜入、稼働し、その駐留部隊を壊滅させるほどの戦果を挙げているのである。
ちなみに「KÄMPFER」とは独語で「闘士」を意味する。
特攻用の強襲器。紙装甲との噂はデマで、突撃姿勢での前面は他と同じくらいの装甲強度だそうです。
メカデザイナーはMSデザインでおなじみの出渕裕さん。
それでは、キットの出来を見てみましょう!
HGUC 1/144 ケンプファー(公式サイト)
1,980円(税込)
2008年8月発売
1.HGUCケンプファーの全体像


シルエットは意外とすっきりで機動性が良さそう、大型のスパイクアーマーが目を引きます。
腰部はザクなどにあるアーマーがなく、股関節がむき出しになっています。
2013年以前のキットなので、関節はABS製です。
※KPSは2013年から主流に。

付属品はご覧の通りモリモリです!
- ジャイアント・バズ ×2
リックドムⅡなどが標準携行するものと同じ - バズーカラック用ジョイント ×2
- シュツルム・ファウスト ×2
使い捨ての簡易型ロケットランチャー - 専用ショットガン ×2
カートリッジひとつあたり9発発射可能 - ショットガン用グリップ ×2
- ショットガンラック用ジョイント
- ビーム・サーベル ×2
次世代量産機用のプロトタイプ - チェーン・マイン
投擲も可能な機雷ユニット
武装専用の大型ランナーが2枚、あまりのボリュームに笑えてきます。

シール類は装甲の白と、モノアイ(予備2枚)を補うホイルシール。
加えて部隊マークのマーキングシールが付属します。
では、武装した状態を見てみましょう。


今度はガラリと変わってボリューム感がすごいです。
素体はシンプルなケンプファー、こちらが本来の姿なのでしょう。
2基のジャイアント・バズがキャノンにも見えます。

2.各部詳細
2-1.頭部

▲頭部ブレード・アンテナには安全基準フラッグが。小さいのであまり目立ちませんが、ニッパーで切り落としシャープにするとカッコよくなります。
▲首はよくあるポリキャップではなく、専用のパーツになっていました。(ABS製)
2-2.腕部
▲腕部です。肩の装甲は左右非対称になっており、左肩はスパイク・アーマー、右方はスパイクのない形状です。スラスターノズルの黄色がいいアクセント。
2-3.胴体
▲特徴的な胴体パーツ。ディテールは割とある印象です。腰付近の動力パイプは、ザクやサザビーのように細かい分割はありません。
中央の黄色いスラスターは一度ハメたら外れない、いわゆる”ハメ殺し”です。塗装する場合はハメる前に胴体パーツ側にドリルなどで穴を開けておきましょう。
2-4.下半身
▲ケンプファーの下半身です。太ももは装甲が二重になっており、膝から下はザクともグフとも異なるデザインです。腰部はアーマーがないのでスッキリしています。上半身との接続はこの時代では珍しくボールジョイントで、腹部が可動します。
3.気になりポイント
つづいて、合わせ目などキットの気になるポイントを見ていきましょう。
3-1.合わせ目

▲まずは一番目立つ肩アーマーの合わせ目から。モナカ構造なので中央にバッチリと合わせ目が出てしまいます。そのままにしておくとかなり目立つので、しっかりと合わせ目消しをしておきたいところ。
▲ガンプラの武装は大概もなか構造で、ケンプファーのそれも例に漏れません。
長さがあるので気を付けて接着剤を塗布しないと、合わせ目が消えない個所が出てしまいます。
合わせ目全体に接着剤が行き渡るよう、注意して処理しましょう、
3-2.パーティングライン
パーティングラインとは、パーツ成形に使う金型の合わせ目のことで、パーツに細い線が入ります。
デザイン上は存在しないものなので、見えるとちょっとカッコ悪いです。
丸みを帯びたパーツや凸モールドの部分に出ることが多いです。
デザインナイフの背でカンナ掛けするとカンタンに取り除けますので、面倒でなければやっておきましょう。
3-3.ヒケ
ヒケとは、パーツ成形時にプラスチックの樹脂が冷え固まる際にできる「へこみ」です。
ヒケはヤスリで削り、面を平らにすることでなくすことができます。
こういった金属ヤスリなどを使うと、効率的に処理できます。
4.色が足りない個所
説明書と比較して色が足りない個所を見てみましょう。
▲アンテナ、肩スパイクの白、頬・胸・股間スラスターノズルの黄色が足りません。
▲背面から見える大量のバーニアは内部の黄色が足りません。大変ですが塗装すると間違いなく映えます。
(チェーンマインの黄色も塗装が必要)
素体は概ね成形色で色分け再現されていますが、全体的にバーニアノズルの黄色が足りないので、部分塗装がオススメです。
▼部分塗装の詳細はこちら!

まとめ
以上、みんな大好きケンプファー(HGUC)の素組みレビューでした!
古いキットで可動はちょっとアレですが、プロポーションが良くとてもカッコいいキットです。



18基の色分けがないスラスターを塗装してやると、後ろから見てもスキがないケンプファーに仕上がるでしょう。
武装が多く組んだだけでも迫力満点なので、ぜひ入手して作ってみてください!
それでは、ステキなガンプラライフを!
▼若干割高ですが、ネットショップでは比較的入手しやすいです!

▼バーニアを黄色にするなら発色の良いベースイエロー+オレンジイエロー
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