プラモデルを汚そう!|ウェザリングカラーでウォッシング★
プラモデルの「汚し塗装」を知っていますか?
せっかく作ったプラモデルを汚しちゃうの? と思ったあなた、違うのです。
プラモデルに使い込んだ風合いを与えるウェザリングというもので、手法や道具、塗料などは非常に多岐にわたります。
今回はそんなウェザリングの中から「ウォッシング」を紹介します。
ウォッシングをするとこんな感じに仕上がります!


どうでしょう。汚したことで深みが出たと思いませんか?
モールドにスミ入れもされていますね。
- ウォッシングとは
- ウォッシングに必要な塗料・道具
- ウォッシングのやり方・コツ
これからウェザリングを始める方向けにウォッシングのやり方を丁寧に解説するので、興味がある方はぜひ最後までご覧くださいね。
それでは本編をどうぞ!
▼ウォッシングのあとに深みを出してみた記事はこちら

1.ウォッシングに必要な塗料・道具
1-1.ウォッシングとは
ウォッシングとはその名の通り、塗料で洗うように塗装する技法です。
洗うように塗装といわれてもピンとこないと思いますが、”シャバシャバに薄めた塗料を塗りたくり拭き取ってしまう”というものになります。
- パーツをうっすら汚すことができる
- 拭き取り具合によって表情がつく
- スミ入れができる
使うものの紹介も含め、実際のやり方を紹介します。
とってもに簡単ですよ!
1-2.必要な塗料・道具

今回はGSIクレオス社のウェザリング専用塗料「Mr.ウェザリングカラー」を使ってウォッシングを行います。
次のものを用意します。
- Mr.ウェザリングカラー(お好みの色)
※今回はグランドブラウン、ステインブラウン - Mr.ウェザリングカラー専用薄め液
- 塗料皿
※パレットや皿など何でもOKです - 筆
- キムワイプ
- 綿棒
※100円ショップのものでOK
①Mr.ウェザリングカラー
油彩ベースの伸びの良い塗料で、ウォッシングやスミ入れなど幅広く使えます。
汎用的なカラーラインナップで、異なる色どうしを混ぜて使うことも可能です。
GSIクレオス Mr.ウェザリングカラー公式ページ

※出典:GSIクレオス Mr.ウェザリングカラー ラインナップ
比較的、ポリスチロール樹脂を割りにくい素材設計となっているそうですが、大量に塗布するとパーツの負荷がかかる部分が割れる可能性があるため、トップコートを吹いてから塗布するのが安全です。
②Mr.ウェザリングカラー専用薄め液
Mr.ウェザリングカラーの専用薄め液です。
同塗料の希釈や拭き取り、洗浄に使用できます。ウェザリングカラーを使う際は必ず用意しましょう。
③塗料皿
塗料を注げるなら何でも良いですが、扱いやすいものを揃えたいところです。
④筆
筆はどんなものでもよいのですが、毛先が柔らかい方が塗りやすいです。

私はどこで買ったか忘れてしまったこんな筆でやってます。
毛先が硬いと塗る際に筆先が塗料を弾き飛んでテーブルや床が汚れるのです。
⑤キムワイプ
丈夫なティッシュのような紙です。
ウォッシングでは塗料を拭き取るので、拭き取るための紙が必要です。
ティッシュやキッチンペーパーでもよいのですが、キムワイプは丈夫で使い勝手が良いです。
⑥綿棒
塗料を拭き取るのに綿棒を使います。
模型用の細い綿棒でも良いですが、ガンガン使うので100円ショップのもので十分です。
2.ウォッシングのやり方
2-1.半光沢のトップコートを吹く

ウォッシングの前にパーツをばらしてトップコートを塗布しましょう。
前述の通り、希釈したMr.ウェザリングカラーを大量に塗るとパーツが割れることがあるので、トップコートで表面を保護するのです。
程よく汚れが定着する「半光沢」タイプがおすすめです。
トップコートを吹いたら2時間程度置き、しっかり乾かしましょう。
※乾く前に触ると指紋がついて台無しです。
2-2.塗料を希釈する
ウォッシングは”洗うように塗る”ので塗料を希釈します。

▲スミ入れも兼ねて黒に近い茶色で汚します。Mr.ウェザリングカラー「グランドブラウン」を使っていきます。※今は丸い瓶ですが私は古い角瓶タイプ。

▲ビンに筆を突っ込み底に溜まった塗料を筆に含ませます。

▲塗料皿に塗料を取り出しましょう。筆に含んだ塗料を皿のヘリで落とすと塗料が無駄になりません。

▲Mr.ウェザリングカラー専用薄め液で希釈します。店頭では在庫を全く見かけなかったので、ネット通販で大きいものを買いました。

▲薄め液は入れすぎないよう注意して注ぎます。筆に伝わせるようにすると良いでしょう。

▲こんな感じでシャバシャバになるまで薄めます。2~3倍程度に薄めるのが良さそうです。
2-3.パーツに塗って拭き取る
塗料を希釈したら、さっそくパーツに塗っていきます。

▲筆に塗料を含ませてパーツに塗っていきます。シャバシャバなので塗りやすいです。塗り漏れが無いよう気を付けましょう。

▲塗り終わりました。塗料がちょっと濃かった気がしますが、拭き取るので大丈夫。

▲キムワイプを使って塗料を拭き取っていきます。これが丈夫で使いやすいのです。

▲ウェザリングカラーが乾く前に、キムワイプで塗料を大雑把に拭き取ります。

▲だいたいで良いのでゴシゴシ拭き取りましょう。

▲こんな感じに拭き取れればOKです。
根を詰めてキレイにしすぎる必要はありません。



▲すべてのパーツに「塗る」→「拭き取る」の工程を行っていきます。
- 関節やパーツの裏なども塗り忘れが無いよう気を付ける
- パーツが乾ききる前に拭き取る

▲素手で拭き取っていると塗料で手が汚れます。
気になる方は使い捨てのビニール手袋などを使うと良いでしょう。

石鹸で洗えばキレイになるのでそれほど気にしなくて大丈夫。
次に別の色でウォッシングするので、塗料皿の余った塗料は拭き取ってしまいます。

2-4.綿棒で拭き取る
塗料をざっと拭き取ったら、綿棒と薄め液で仕上げをします。

▲綿棒に薄め液を付けます。付け過ぎるとベチャベチャになるのでほどほどに。

▲綿棒を動かして表面に残った塗料を拭き取っていきます。

▲組み立てた時の重力方向に綿棒を動かして拭き取ります。こうすることで自然な汚れに仕上げるのです。

▲ある程度汚れた綿棒はバンバン取り換えましょう。汚れた綿棒で拭き取ってもキレイに拭き取れません。

▲これくらい拭き取れたらOKです。キレイに拭き取り過ぎず程よく汚れを残すのがポイントです。

▲続いて他のパーツも拭き取っていきます。拭き取る前は結構汚れが残っています。

▲さっきのパーツ同様に重力方向を意識して綿棒を動かします。

▲こんな感じですべてのパーツを拭き取ります。ちょっと拭き取り過ぎた気もしますがまあ良いでしょう!
3.他の色も使ってみる
これまで紹介したのと同じやり方で、別の色を使ってウォッシングしてみます。
単色でのウォッシングに比べて汚れに深みを出す狙いです。

▲今度は先ほどより少し明るい茶色の「ステインブラウン」を使います。

▲3倍程度に薄めます。今度はいい感じ。

▲ササっとパーツに塗りつけます。

▲さっきと同様キムワイプでざっと拭き取り、綿棒+薄め液でさらに拭き取ります。

▲適度に汚れを残してこれでOK!
ウォッシングが終わったので、ここまでの汚し塗装を”セーブ”しておきます。
つや消しのトップコートを塗布してパーツ表面の塗装を保護しましょう。

4.仕上がり・まとめ
「グランドブラウン」「ステインブラウン」の2色でウォッシングしつや消しトップコートを塗布しました。
仕上がりを見てみましょう。





モールドにスミが入り陰影がくっきりしたのに加え、パーツが程よく汚れて使い込んだ雰囲気が出ています。
▼この記事でモールドを彫り込んだキットを使っています。

以上、Mr.ウェザリングカラーを使ったプラモデルのウォッシング紹介でした!
ウォッシングはウェザリングの中でも難易度が低く、誰でも簡単に楽しむことができます。
ポイントを振り返っておきましょう。
- ウォッシングはトップコートを吹いてから
- トップコートは半光沢タイプがオススメ
- キムワイプでざっくり拭き取る
- 拭き取りは重力方向を意識
- 綿棒は汚れたらバンバン取り換える
塗料を拭き取る際に重力方向を意識するだけで自然な汚れになります。
本記事を参考に、ウォッシングにチャレンジしてもらえると嬉しいです!
最後までご覧いただきありがとうございました。
それでは、ステキな筆塗りライフを!






